NHKスペシャル「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~」でわかった海洋汚染の実態と動画

NHKスペシャル「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~」という海洋汚染について調査した番組が1月15日(日)に放送されました。
海洋汚染について放送した番組はほとんどなく、はじめてテレビで放送された事実もありました。
これまで誰も調べていない所を調べる」事を考え制作されたようです。
その結果、やはり海洋汚染はとても深刻なものだということが放送されました。

その内容は衝撃的なもので、東京湾では福島原発周辺と同程度の海洋汚染が確認されたり、採取した魚は国のセシウム暫定基準値を大きく超えたものばかりで、さらにこれからもっとひどくなり、2年2カ月後に最大値になるというシミュレーション結果も。
現在福島周辺や東京湾で採れた魚介類を食している方は自分の身の安全、家族の身の安全のためにぜひ一読していただきたいと思います。

その内容についてのまとめと動画を公開します。
(NHKスペシャル「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~」の動画については記事最下部に掲載。)

 NHKスペシャル「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~」内容のまとめ

NHKスペシャル「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~」のあらすじ
今回NHKでは、20キロ圏内は立ち入り禁止されていたので、まったく調査されていなかった20km圏内に専門家チームと共に初めて海の本格的な汚染調査を実施。
NHKと専門家チームの独自調査によって、新たな放射能汚染の実態が…。海や、山奥の湖で人知れず進行していた汚染。放出されたセシウムが、「水」を媒介にして広がる現実。
国は原発事故の収束を宣言しましたが、魚からは今も基準値を超える放射性セシウムが検出されています。今回東電福島第一原発ギリギリまで近づいた直下の海から、東京湾まで全長250kmを徹底調査しました。
そこから明らかになる知られざる汚染の実態です。

NHKスペシャル「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~」放送内容

  • 去年11月、ヒラメから4500ベクレルを検出。「野菜や果樹には見られない高い値」。200km離れた群馬県の湖では、500ベクレルを超えるセシウムが
  • 群馬のワカサギからも高い値が出続けている。
  • 東京湾で海底にセシウムが集まりホットスポットができている。
  • 政府の手では陸については汚染地図が作られてきたが海や湖の汚染地図はまだつくられていなくて全ては把握しきれていないので魚介類に関しても今回の調査以上の汚染があり、上限がわからない。
  • 高濃度の汚染水が海に流出。総量10京ベクレル超。
  • 海面近くの線量は0.06μSv(マイクロシーベルト)。水深13m、徐々に数値が上がる。海底付近は2.5μSv(マイクロシーベルト)を突破。海面の40倍。
  • 泥の粒子が動くたびに放射能測定器の数値が激しく動く。泥の粒子に放射性物質が付着していた。
  • 土を採取して分析。泥はセシウム4520bq/kg。周囲の15000倍。
  • 20km圏内の32カ所で海底土を採取。沿岸1kmに2000ベクレルを超える汚染が集中。汚染は20km圏全体に、まだら状に広がっていた。放射性物質は拡散しきらずに海底にたまっていた。
    国が事故直後に示した見解は「放射性物質は潮流に流されて拡散していく。魚や海藻に取り込まれるまでには相当薄まると考える」という発言は嘘だった。
  • 魚:メバル2300Bq、アイナメ1400Bq、採取した魚は国が発表したセシウムの基準値1キロあたり500Bq越えばかり。
  • 魚への汚染の経路:泥の中のゴカイを多くの魚が餌とする。ゴカイは泥を食べるので、海底の放射性物質を直接取り込む。泥→ゴカイ→魚への汚染経路。
  • ゴカイが生息していた海底土304ベクレル/kg、ゴカイ130ベクレル/kg。移行は4割。
    しかし、ゴカイを食べるナメタガレイは316ベクレル/kg。食物連鎖のなかで放射性物質を溜め込んで濃縮(生体濃縮)される。放射性物質が海底に残っている限り、魚の汚染は続く。
  • 底魚(そこうお:海底を泳ぐおさかな)はどれも暫定基準値を2.5~4.5倍。
  • 放射性物質が海底に残っている限り、汚染はつづく。厳しい現実。これからの見通しは?
    「現状では難しい」「チェルノブイリでは2、3年」「もっと出ているから、下手するともっと長くなる」
  • 茨城県平潟漁港は暫定基準値500ベクレル/kgを超える魚が出ていないため、操業を続けているが、国は4月から基準値を100ベクレルにし、厳しくする予定。
  • 沿岸流の影響で放射性物質は福島第一原発から南に蓄積している。北茨城沖は多くても38Bq。次に茨城県ひたちなか市の沖合。このまま数値は下がるのか。測定結果、380ベクレル。セシウムが付着しやすい泥の粒子が巻き上がっていた。原発20km圏でゴカイがいた海底と同じ程度。岡野博士「明らかに福島のセシウムが移動してきている」
  • なんと福島原発から180キロ離れた千葉県銚子沖で112ベクレル/㎏、値が2ヶ月前の調査の3倍に増加。海底の汚染はここまで広がっていた。神田穣太教授「局所的に集まる場所がある。いつも同じ場所にあるとは限らない。海況によって動く可能性はある。堆積物の推移が判断材料になる」
  • 値が増加しているということは以前の測定で基準値以下が出ていた魚も今はどうかわからない。
  • 群馬県赤城大沼。陸上の汚染は0.17、深刻ではない。だが、ワカサギからキロ640。「まさかと思った。基準値までは行かないのではと思っていた」
  • 群馬県水産試験場の鈴木さん。事故から9ヶ月経っているのにプランクトンから296ベクレル。プランクトンの寿命は長くて数週間。なぜ高い数値が出るのか。放射能汚したプランクトンから魚へ、食物連鎖。
  • 群馬県赤城大沼の湖底の泥から950Bq/kgを検出。しかも放射性物質セシウムは湖底から20cm層をなしている。
  • チェルノブイリでは湖の汚染は、25年たった今も続いている。汚染度合いは現象するが、まだまだなくなることはない。
  • 「セシウムは一旦生態系に入ると非常に厄介」「半減域の30年を待つしかない」
  • 首都圏に降った放射性物質は東京湾へ 江戸川と荒川河口付近は最大872ベクレル/㎏ 原発付近の海と同じレベルの汚染
  • 東京江戸川の海底でセシウムが最も溜まっている場所は、河口から8kmの地点。1623ベクレル。河口付近の2倍の濃度。東京湾に流れ込むすべての川でセシウムが凝集、大雨で少しずつ移動しているとみられる。
  • 京都大学の研究グループによるシミュレーション。事故後、東京湾周辺に降り積もったセシウム、その約50%が6カ月の間に川へ。ゆっくりと(年に5km)海へ移動。今から2年2ヶ月後に海の汚染が深刻になると予想。汚染は10年以上にわたって続くと思われる。
  • できることは「事実と真正面に向き合い、調査を続けること」

NHKスペシャル「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~」動画

(NHKスペシャル「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~」の動画

One thought on “NHKスペシャル「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~」でわかった海洋汚染の実態と動画

  1. 動画ここにありました↓
    http://nanohana.me/?p=11200
    恐ろしいのは河口872Bq/kgというのが地図で確認すると
    東京ディズニーランド付近だということ。
    湾が汚染する前に、今から川を除染できないものでしょうか。
    数年後には東京湾に海外の船が入港しなくなりますね。

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