福島県の子ども59人で甲状腺がんやその疑いが見つかりました。
この問題について専門家の間でも被曝の影響なのか被曝とは無関係なのかについて議論が交わされております。
今までの平均では「(1975~08年)は100万人当たり5~11人」。
今回の検査では「約23万9千人のうち59人ががんやがんの疑い」。
これだけだと被曝の影響だと断定してしまうほどの差(約25倍)がありますが、被曝とは無関係と言う専門家の意見と被曝の影響だという意見両方を掲載します。
これらの意見はそれぞれみなさんがどのように受け取るのかどうかだと思われます。
被曝の影響ではないという専門家の意見
- がんが見つかった子どもの年齢分布も10代後半が多く、若年齢が多いチェルノブイリとは異なる(県立医大の鈴木真一教授(甲状腺外科))
- 福島の検査と「がん登録」と比較をするのは、科学的に不適切などと批判。がん登録で集計されるがんは主に、症状が出てから受診して見つかったものだが、福島の検査は、無症状の子どもを網羅的に調べており、より早期に多く見つかる傾向がある(県立医大の大平哲也教授(疫学))
被曝の影響という専門家の意見
- 福島の子どもの甲状腺がんの発生は数倍~数十倍高く、多発と言える。今後さらに増える可能性もあり、今のうちに対策をとるべき(岡山大の津田敏秀教授(疫学))
その他には、「県外の子どもに大規模な甲状腺の検査をして比較すべきだ。そうすれば1年以内に科学的な結論が出る」といった意見もありました。
まとめ
上記の意見はチェルノブイリと比較しているという点や、無症状の子供を検査しているから早期発見でこれまでの平均値より多く見つかっているという意見ですが、比較するのがチェルノブイリしかないという点や、チェルノブイリ原発事故の際にはきちんと検査するのが遅かったため発覚が遅れたという意見もあります。
数値だけみると25倍というのは福島原発事故の影響というふうに思ってしまうのも無理はありません。
早急に他県でもせめて今回の検査の半分程度の子供の検査を実施し、比較することで本当に事故の影響でないかを判断する必要があると思います。
現時点ではやはり事故の影響という不安が頭をよぎってしまいます。
参考資料
http://goo.gl/7kQdcp