与沢翼さんが破産した。
ビジネス業界において与沢翼さんを知らない人はほとんどいないように思います。
与沢翼facebookで『ご報告』という題名で破産の報告があったようです。
与沢翼さんといえば、テレビでみる超お金持ちという印象の方が多いと思いますので衝撃を受けた人も多いかと思います。
最初はネットビジネスから成功し、そこからどんどんお金稼ぎの勝負をして成功されていました。
いろいろな噂やビジネスの手法に好感をもてない方も多数いるかと思われますが、お金を稼いでいたという事実は経営者としては単純に凄いなと思っています。
ですが、最近は稼いだお金からくる税金に悩まされ、そこにビジネスの失敗が重なり資金繰りができなくなってしまったようです。
報告の中であった与沢翼さんの価値観やテレビの中の与沢翼、破産を報告した心理状態など経営者としては非常に濃い内容だと思いまして紹介させていただきます。
与沢翼 破産報告
皆様、こんにちは。
与沢翼です。
最近フェイスブックを更新しておりませんでした。
その事情を、お伝えしなければならなくなりましたので、ここにご報告致します。
何もご存知ない方は、驚かれることと思います。
ご容赦下さい。
誠に愚かすぎて、弁明の余地もない状況です。
2013年8月期決算の法人税、住民税、及び事業税2億5千305万の支払いのうち約1億1千万円並びに2012年8月期の修正申告分の税として8940万7200円を追加で計約2億円支払い、並びに2014年8月期決算予定納税の一部を支払い、フリーエージェントスタイルの資金が完全にショートしました。
そのため、今日時点において、既にフェラーリ、ロールスロイス、ベントレー3台を売却し、住宅なども全て解約しております。
また、今の資金量に照らし会社全体に膨大な経費がかかっており、返済余力が今後生じないと判断し、月額500万円の固定家賃削減のため、フリーエージェントスタイル本社の黒崎ビル(六本木4-1-4)を4月30日付けで退去致します。
今後は、西新宿のアイランドタワー41階別のグループ会社内に移転し、FASともどもグループ全体の再建を図っていきます。
なお、フリーエージェントスタイルは破産せず、残額の税等を全て支払うため、最後まで諦めず、少数ながら私の独力を中心に、事業を継続致します。
滞納1億超ということで国税から管理を受けており、現在連絡を取り合い、支払いを継続しております。
【反省とこの1か月】
当初は、受け入れられなかったこと、これまでの全てはもう無くなるという現実も、今はすべて受け入れており、もはや物や金、見栄、プライドに対する執着を完全に消失しています。
ロールスロイスを売った時、自分の中で、これまで絶対に正しいと考えていた価値観が雪崩のように崩壊していきました。
税金により差し押さえ。資金を考えずに勝負をしすぎたということでしょうか。
最後の「ロールスロイスを売った時、自分の中で、これまで絶対に正しいと考えていた価値観が雪崩のように崩壊していきました。」という文は考えさせられるものがありました。
2013年8月期の決算が固まった時点で、全ては終わっていました。
□税額を知った2013年9月、会社にはそれほどの残が残っていなく、納税を超える売上を上げれば何とかなるという甘い認識
□国税局は12分割に応じてくれるという事前情報
□それを前提に納税準備資金をほとんど用意していなかった
【経緯】
修正申告の12年8月期8940万7200円を全額支払う。
1月末日、麻布税務署から東京国税局に、13年8月期の税金債権が移転され、国税の方々が本社に来社されました。
12分割をお願いすると、全く交渉は不可能であることを認識しました。
1週間以内に全額を支払わない限り、財産を全て差し押さえるとのこと。
黒崎ビルに約5000万の敷金が収められており、黒崎ビルが差し押さえられれば、信用不安で事業継続は不可能であると考え、残金をかき集め、2月5日ごろまでにおよそ8000万を即時、納税しました。
2月末日に入るカード会社からの入金と会社残金で国税管轄の法人税の残り全額を支払い終え、差し押さえを受けることなく、突き抜けて復帰する考えでした。
なお、2億5千万のうちの都税分については12分割を認めていただけていたため、1年間の短期借入金のような形で、その後の運営には金額的に問題がありませんでした。
2月末で国税の追及から解放され、これからどんどん売上を上げていけるね、と管理部とも話し合い、なんとか先が見えた、と安心していた矢先。
全ては不幸中の中の幸いかと思われていたのですが、
2月末日、提携していた取引先のクレジットカード会社から倒産の通知(債務整理の受任通知)が届き、サーバー代すらも払えないと通達され、以後、2月、3月、4月以降と予定されていた全てのカード売上債権がこちらに入ってこないことが確定しました。
また、弊社グループの役員に、自分も投資をしているからということで紹介された月利5~10%という海外FXに、香港にまで行って1月上旬に投資をしたところ、1月末ごろには利益が出るどころか1か月で元本の90%を失ったと言われ、多大な損害を出してしまいました。
これらによって2月末日、国税に対し最後の約束が履行できないことが確定となり、以後、黒崎ビル本社、私の住宅等に差し押さえがかかりました。
この時点で、現状の規模を維持して、事業を継続することは不可能と判断しました。
ただし、投資の詐欺的行為にあったことやカード会社倒産が直接的な経営状態の急降下の原因ではあったものの、所詮それはきっかけにしかすぎず、自分のビジネスモデルやメディアでの演出のための支出、迫り来る、無限ループに思える税金に、精神的にも物理的にも限界に達していました。
お金持ちを演じることを期待されているのに、もはやお金がない。
この状況は、心底きつかったです。
お金持ちを演じることに期待されているのにもはやお金がない。
ご自身でもお金持ちを演じるということがある意味、任務だと思っていたということでしょう。
もともとお金持ちを演じることで自身のビジネスが儲かるというビジネスモデルを展開していたこともありますね。
お金持ちでいたいけどお金持ちでいられない。
おそらく普通の生活をすれば一生遊んで暮らせるぐらいの資金は手にしていたと思われますが、そこからのどん底は普通の精神状態ではいられないような気がします。
もう何も残らなくていいし、何の見栄もありません。
今あるのは、これまでと違った方法でただひたすらに経営や人生を再建することです。
~中略~
【運命は理性の力では直せない数々の欠点を改めさせる】
という言葉に出会い、私は今回の運命に出会い、自分が持っている構造的な欠陥の修正を迫られているのだと思います。
売り上げる力、多少あったけれど、管理する能力なし。
よもやこれほどまでに税金が確固たるもので、恐ろしいものだとは思いませんでした。
以前は利益が出なくて倒産。今回は利益が出すぎて、税金で経営危機です。
~中略~
もうおわかりの通り、ここ数年間のイメージの与沢翼は既に死んでいます。
復帰プランに従い、無理をせずゆっくりとやっていきます。
~中略~
私が何者になるか、何者になりたいのか、いまだ自分でもよくわかっていませんが、全力で復帰する努力をしますとだけお伝えしておきます。
しかしもう金への執着はありません。散財をすることもありえません。
生きてるだけで幸せです。
新しいビジネスは、価値に比例する適正利益だけで十分すぎます。膨大に儲けることはもう考えていないからです。
今日から無理をしてお金持ちのふりをする必要がなくなったので、楽になりました。
もう大分疲れたんだと思います。
たくさんの経験をさせてくてれた皆様、ありがとうございます。そして、裏切ってしまった多くの方へ、申し訳なかったです。罪の償いには時間がかかりそうです。
これからはただの何もない与沢翼として発言していきます。
今、感情は無であり、至って落ち着いています。
お読みいただき、ありがとうございます。
与沢 翼
与沢翼破産から学ばなければならないこと
お金を稼ぐ能力はあったけど、管理する能力がなかった。
一生遊べるお金を手に入れることができ、ビジネスの成功者であった人が破産した理由は、報告の中でも書かれていました。
未来を見据えて動いていくことができなかった。
この言葉につきると思います。
稼ぐことができたことからくる多額の税金。
これを支払う余力を残す前に勝負をしすぎてしまい、それが成功せず一気にダメになってしまった。
ビジネスにおいて税金は切り離せないものですね。
稼ぐことができているのに破産。
なんとも考えさせられる内容でした。
いろいろなビジネスに勝負をするのも難しいことだと思います。
おそらく本来のビジネス一本に絞ってコストを最低限まで削り続けていればこのようなことになっていなかったと思います。
内容からこれまでのポジティブな発言からは真逆の精神状態がわかります。
この内容から私も含め経営者は失敗したときに全てを失う大きなリスクを背負っているということがわかります。
ただ、報告内容にもありましたとおり、今後もビジネスは続けていくようなのでここまで有名になった今、復帰も早いのかなとも思います。