福島第1原発2号機の水位わずか60センチしかないことが判明

2号機格納容器内の水位測定の工業用内視鏡

東京電力は26日、福島第1原発2号機の原子炉格納容器内の様子を工業用内視鏡で調査し、水位を確認したところ、当初は4mあると想定されていた水位がわずか60センチしかないことが判明したと発表しました。水温は48.5~50度でした。

福島第1原発2号機の工業用内視鏡による測定について

調査は1月に続き2度目。前回は水位が確認できなかったため、倍の長さの20メートルの内視鏡(直径8.5ミリ)を使用し、格納容器の貫通部から底部に下ろし測定。

東電は水位を格納容器の底から3.5~4メートルにあると推定していましたが、東電は推定に使った圧力計が正しい値を示していなかったため食い違ったと発表があり、「燃料は冷えており、むき出しになっている状況ではない」との見方を示しました。

2号機格納容器内の水位測定の工業用内視鏡2
工業用内視鏡で撮影した2号機格納容器内部。中心の白い部分は熱電対と呼ばれる温度計の一部です。

水位わずか60センチしかないことが判明したことで明らかになったこと

前回当ブログでも紹介させていただきましたが、
福島第1原発2号機温度80度に上昇」という記事でも、温度計の故障で実際の温度ではないと発表がありました。
そして今回の圧力計の故障。

そして今回のことでわかったことは、4mも水位がないということだけではなく、4mの水位があるとして想定していたことすべてが間違いだったということです。
それは、とても恐ろしいことで、想定していたことよりひどいことがこうも頻繁に起こるということは当たり前ではありますが、もうそれは予想の範疇を超えてしまっているということです。

今までの発表を振り返ってみるとわかるのですが、今回の事例のようにほとんど発表よりも悪い状況が起こっており、想定以下の事例というのはほとんどありません。
それは政府の発表は信用に欠けるということでもあります。

これで、

  • 福島第1原発2号機の格納容器は想定していたものより損傷が激しく、注水した水のほとんどが流れていってしまっている
  • 今まで水位が4mほどあるからという想定で計算していたことすべてが間違い
  • 今回燃料は60センチの間で冷やされていると発表がありましたが、格納容器内部の話であり、格納容器から流れて行ってしまったであろう燃料は今だに不明

ということなどがわかりましたが、それと同時に政府のこれまでの発表の不正確さが浮き彫りになる発表だったように思います。

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