福島原発から飛散している放射性物質の中に「放射性ヨウ素」や「セシウム」というものがあります。
では、 実際にヨウ素についてどのような症状が現れやすいのか、また被爆前の予防である「安定ヨウ素材」や被曝後の治療方法について説明いたします。
ヨウ素とは?
福島原発事故によってい放出される割合の最も高い放射性物質が「ヨウ素」です。
放射性ヨウ素131は気化して大気中に広範囲に拡散しやすい上、呼吸や飲食により体内に吸収されやすいため、内部被曝を起こしやすい物質です。
ヨウ素の放射能は、8日に半分という割合で減っていき(半減期8日)、半年後には1億分の1まで減少するという特徴をもっています。
セシウムの放射能は30年でやっと半分ですので、ヨウ素は比較的早い段階で放射能を出さなくなる放射性物質です。
放射性物質「ヨウ素」による内部被曝について
本来、ヨウ素は、甲状腺ホルモンの構成成分として生体に必須の微量元素であり、体内には約25mgが存在します。
甲状腺は、ヨウ素を取り込み蓄積するという機能があるため、原子力施設の事故で環境中に放出された放射性ヨウ素で内部被曝すると、甲状腺ホルモンに合成され、甲状腺組織の中で放射能を放出し続ける。
その結果、放射能による甲状腺障害が起こり、晩発性の障害として甲状腺腫(甲状腺ガン)や甲状腺機能低下症を引き起こすとされています。
ヨウ素は子供により影響を与える
子供は甲状腺が活発で、ヨウ素を吸収しやすく、甲状腺ガンになりやすいので注意が必要です。(幼児では最大100倍の吸収力があるといわれています。)
実際にチェルノブイリ原発事故では約4年後である1990年頃から子供達の間で甲状腺ガンが急増し爆発により放出された『《ヨウ素131》が子供達の甲状腺に取り込まれ、被曝をもたらしたとされています。
「安定ヨウ素材」(ヨウ素による被曝を抑える薬)について
放射線を出さないヨウ素を製剤化した安定ヨウ素剤を服用し、あらかじめ甲状腺を安定ヨウ素で満たしておくと、放射性ヨウ素が体内に入り込んでも、甲状腺には蓄積せずに体外に排出されやすくするための薬が「安定ヨウ素剤」と呼ばれるものです。
服用してから24時間効果が持続すると言われておりますので、服用するタイミングが重要です。
被曝する前に服用することが大事であり、もし被曝前に服用し忘れた場合でも、被曝後8時間以内であれば甲状腺への取り込み量を40%近く減らせるといわれております。
副作用として吐き気や下痢などがあります。
福島原発の40歳以下の周辺住民には安定ヨウ素剤が配布されているようです。
【デマ情報にご注意】ヨウ素の入ったうがい薬や消毒薬に予防効果は嘘
ヨウ素が飛散した段階で、うがい薬等にヨウ素が入っているのでそれを飲めば大丈夫という情報が流れましたが、これは真っ赤な嘘です。
効果がないばかりか、飲むと体に有害な成分が含まれている恐れもありますのでお控えください。
ワカメや昆布にもヨウ素は含まれているが、含有量が一定ではなく、十分な効果は得られないとされています。
きちんと処方された安定ヨウ素剤を服用しましょう。
非常に参考となる記事をありがとうございます。
官房長官やマスコミの大学教授の「心配ない」「大丈夫」というコメントを聞くたび、かえって不安になります。
国民を安心させるため?に用いる、レントゲンやCTスキャンの例ですが、そもそも外部被曝と内部被曝を同列で比較できるものなのでしょうか?
こんにちは、また質問させて頂きます。
現在福島や近隣の県と関東までに及ぶ広範囲の地域の水道水からヨウ素が検出されています。茨城・群馬・栃木・東京ではセシウムも検出されました。やはり22日から23日にかけて降った雨と風向きが原因だと思うのですが、このまま数値が上がっていったり常に検出される状態が続いた場合外部被爆はシャワーで流せば問題ないと専門家の方々は発言していますが、そのシャワーの水にも放射性分質が含まれていることになるのでしょうか。
また、そうだった場合シャワーで流せば問題ないとは言えなくなると思うのですが本当に問題ないのでしょうか。水道水(飲み水)ばかり注目されて報道されているきがしてきになり質問させて頂きました。もちろん水道水(飲み水)が一番生活に影響するので当然だとは思うのですが・・
お時間がとれましたら、お手数ですがご返答の程宜しくお願い致します。
>shevaさんへ
内部被曝と外部被曝は比較はできないので、今発表されているレントゲンなどの数値は参考程度になります。
他に例えるものがないのもありますが、たしかに国民を安心させるためにあえてレントゲン等の数値を何度も言っています。
現在「内部被曝と外部被ばくについては把握しているが、これはわかりやすく伝えるためにレントゲン等を用いている」と政府も発表しております。
>みみさんへ
そうですね、水道水が汚染されるとシャワーだけではなく生活用水すべてで含まれることになります。
現段階ではまだ生活用水に使う分には人体に影響を及ぼすレベルではないですが、子供の内部被曝はできるだけ避けたほうがいいと思われます。
今後も原発事故が長引き、水道水からの放射能物質の濃度が上昇したり長期化すると問題になってくると思いますので、一刻も早い解決が望まれます。
福島市に住んでいます。呼吸による内部被曝について、県に質問したところ、呼吸による内部被曝についてはまったく心配ないと言われました。
本当でしょうか?
>マナさんへ
まったく心配ないとのことですか?
それはありえないです。そのお方はおそらく政府がいつも口にされてるただちに人体に影響がないということでまったく心配ないとおっしゃったのだと思いますが、福島県ではヨウ素、セシウム等が実際に今まで相当量検出されております。
原発から近い位置では条件と風向き次第で放射能物質は相当な量が飛散しますので、呼吸で内部被曝の危険はあります。
相当量の被曝がないとただちに影響はないかもしれませんが、日々被曝して蓄積されていくと、将来的にガンになったりする可能性が高まります。
外出時はマスク等の着用は必ずしてくださいね。
福島原発で働いていた女性従業員からは外部線量の3倍以上の甲状腺内部被曝が証明されました。また男性従業員2名からも同様に外部線量の3倍以上の内部被曝が証明されています。
ヨウ素131はガスおよび微粒子で呼吸によって肺から吸収されその20ー30%が甲状腺に吸着しますのでマスク
は多いに効果があります。
長崎大学原研の山下教授は福島県で、子供はマスクせずに外でどんどん遊べなどとたいへんなことを言っていますが、ヨウ素131は呼吸するだけで内部被曝します。屋m下教授は食物からしか内部被曝が無いといっていますが、原発従業員の数字からも大きな間違いです。これは日本が
関与したチェルノブイリの甲状腺癌がミルクからの被曝であるという、信用できない議論を信じたからだと思われます。