福島原発事故発生からわずか2日しか公表されなかった放射性物質飛散予測のシステムSPEEDIですが、批判が相次ぎ毎日公表されることになり、1時間ごとの予測を毎日正午に更新され、積算線量も随時更新されるようです。
SPEEDIとは
正式名称は「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(通称“SPEEDI”)」と呼ばれます。
SPEEDIは放射性物質の飛散予測ができるシステムのことで、原発事故が発生して放射性物質が放出されると、気象庁のアメダスと連動して、風向や風速、気温などから放射性物質の拡散を計算して図形化し、最大79時間後までの飛散を予測するシステムです。
SPEEDIが公表されなかった理由
事故直後の3月11日17時から動き始めたものの、最初に拡散予測図が公表されたのは3月23日、その後4月11日に2枚目が公表されだけでした。
なぜ公表されなかったのでしょうか?
その理由は、政府の証言によると「原発からの放出源情報が判明しておらず正確な数値がわからなかった、実際にはどの程度の放射性物質が放出されたか予想して計測していたため」とおっしゃられましたが、公表しなかった背景には、水素爆発時等で避難区域外でも高い放射線量が計測され、パニックを恐れたことがあるようです。
たしかに予想数値だと完璧な情報がわからないと思いますが、ではこのような事故の場合、正確に放出量を把握することは可能なのでしょうか。
想定外の事態で、このような数値が正確に計測できる場合のほうが少ないように思います。
実際に公表しないことに対して批判があり、今回公表することになりましたが、すでに大量飛散が過ぎたあとですので、大量に飛散したであろう水素爆発時等に公表するべきものだったと思います。