元東芝、原子炉格納容器設計者である後藤政志さんが東電の福島原発の工程表について解説している動画がありました。
この動画によると、工程表にはやはりいくつも矛盾点があり、計画通りにいくのは難しい理由が述べられています。
動画は合計1時間程度で、原子力情報資料室のUSTREAMで放送されました。
ここではその後藤政志の工程表解説動画と、概要を記載します。
原子力情報資料室 後藤政志による東電の工程表の解説動画
後藤政志による工程表解説動画の概要
- 格納容器を水で満たした場合、以後地震が起きた場合は壊れる危険性が増す
- 水素爆発のために窒素を注入しているが、それにより圧力が上がり圧力を抜くためにベントをしなければならないが、ベントをすると大量の放射性物質が飛散する。
- 今やっていることは原子炉の冷却と窒素封入、原子炉を覆うという作業はどれをとってもきちんとしたものを作っているということではなく、事故が起きてから必死で作業したものであるので、すべてパーフェクトにいく可能性は低い。だからこそ工程表の中に「できないこともある」と書いてある。
- 二号炉の格納容器は圧力抑制室に穴が開いているが、これを塞ぐことはかなり難しい。塞げないと水がずっと出てくるので、どこか別の場所で密閉させないといけないがそれが難しいので、長期化すればするほどどんどん放射性物質が出続ける。現在行っている作業は放射能物質が出てくるのは防げず、放射能物質の飛散をできるだけ少なくするための作業。
- 1号機3号機ともに、格納容器から漏れている可能性を否定していないことから漏れている可能性が高い。2号機と同様に冷却と封鎖することが求められるが、現時点では影響を緩和する作業しかできない。今ある放射能を少しでも抑えることをしている段階。
- 現在チェルノブイリ原発よりも放射性物質は飛散していないと言われているが、今後長期化することでチェルノブイリに近い量の放射性物質が出る危険性が十分にあるので、それを把握するべき。
- 工程表通りに作業するためには相当数の人が被曝する。大量の人がいないと、かなり厳しい。
- 現在データなしに安全安全と言っているので、どの程度安全が住民はわからず、100%安全と思ってしまう。だからデータを示して、こうだからこの程度安全と示すべき。
昨夜、NHKのニュースで、「原発についてのアンケート調査の結果発表」がありました。
それによると、
賛成+現状維持>どちらかといえば反対+反対 だそうです。
そのニュースの少し前に、ネットで、
「福島、宮城など4県(だったと思う)を除いてアンケートをとった。」
というのを読んだばかりでした。
このことだったのでしょうか。
それにしても、事故がまだ現在進行中だというのに、一体誰が、何のために、こんなアンケートを実施したのでしょうか。
理解できません。
福島県民を除外したところも失礼な話だと思うし、さらに悲しい気持ちにさせてしまったのではないかと、心配です。
いろんな情報が、購読料や受信料をお支払いしている新聞やTVで得ることができないのはおかしいと思いつつ、こちらのブログや、木下黄太さんなどフリージャーナリストの記事を追っかけています。
でも、知れば知るほどがっかりすることが多く、むしろ何も知らないほうが幸せなのかも、と感じたりもしています。
>premさんへ
そうですね。私も今回の政府の対応にはかなりショックを受けました。
知れば知るほどわかってしまう政府の隠蔽工作や質問への趣旨の違う回答をする東電の会見など、日本の政治家がこんな子供だましのような行動をするのかと思うと悲しいですね。
今はネットも浸透しており、真実を知ることができる時代で良かったと思います。