首相官邸ホームページリニューアル費用4500万円が実は1億円以上

首相官邸ホームページ

首相官邸ホームページが4550万円かかっていると、産経ニュースで掲載され、話題となっていましたが、実は 123,900,000円(1億2390万円) かかっていることが判明。

増税を前にこの情報が流れたことで、様々な批判の声が上がっていますが、はたしてこの値段は妥当なのでしょうか?

ウェブデザイナーとしての私の意見や、集めた情報を掲載します。

首相官邸HPが1億以上かかっているという情報

官報に記された復興を理由としたホームページリニューアル予算の公募資料が、
【公募】復興に向けた首相官邸HPの日本語版、英語版情報発信強化に伴うシステム機能追加等業務及び中国語版立ち上げに伴うシステム機能構築業務等
で公開されています。

「復興に向けた首相官邸HPの日本語版、英語版情報発信強化に伴うシステム機能追加等業務及び中国語版立ち上げに伴う
システム機能構築業務等」
業務目的
既存の官邸ホームページ作成システムに対し以下の改修を実施
・日本語版ポータルサイトの機能拡充
・日本語版サイトへの携帯端末による情報提供機能追加
・英語版サイトの機能拡充(リニューアル)
・中国語版サイトの立上げ(既存システムを利用してのシステム構築)
(3) 契約期間
平成23年11月24日から平成24年3月31日までとする。

落札データバンクという落札情報を取り扱うサイトで、その公募の落札者と金額が公表されています。

落札データバンク
「復興に向けた首相官邸HPの日本語版、英語版情報発信強化に伴うシステム機能追加等業務及び中国語版立ち上げに伴うシステム機能構築等業務」

落札情報

  1. 品目分類:71、27
  2. 調達方法:購入等
  3. 契約方式:随意
  4. 落札決定日:23.11.22
  5. 落札者:株式会社インターネットイニシアティブ(東京都千代田区神田神保町1-105)
  6. 落札価格:123,900,000円(1億2390万円)
  7. 随意契約の理由:b「技術的理由による競争の不存在」

金額123,900,000円(1億2390万円)と明確に記載されており、随意契約(国、地方公共団体などが競争入札によらずに任意で決定した相手と契約すること)となっており、その理由が「技術的理由による競争の不存在」となっております。

これは平たく言うと、「他に同じ技術を持ってる業者がいないからこの業者に頼むしかない」ということです。

首相官邸HPの製作費1億円以上に対するウェブデザイナーの意見

今回の件に関しては多くのウェブデザイナーさんがブログやツイッター等で意見を出しています。

業界人でない人の多くは「高すぎる」という意見ですが、ウェブデザイナーのみなさんは高いと言う人や安いと言う人もいるといった感じです。

その一番の理由はウェブ制作業界の値段が「ピンキリ」だというところになると思います。
例えばデザインをしてコーディングと呼ばれるホームページを表示させるためのプログラムを組んで公開する普通の制作でも、規模によっては数万円から数百万円だったり、大規模なシステム制作があると数千万円かかったりします。

実際に首相官邸HPの今回の費用の内訳が、
・日本語版ポータルサイトの機能拡充
・日本語版サイトへの携帯端末による情報提供機能追加
・英語版サイトの機能拡充(リニューアル)
・中国語版サイトの立上げ(既存システムを利用してのシステム構築)

なので、システムの構築もあるようですが、実際サイトを見てみるとCMS(ウェブサイト構築のシステム)のカスタマイズ程度と、子供向けサイトではクイズ形式のシステムといった内容で、そこまで大規模なシステムではないように思います。

では、英語サイトとリニューアルと中国語サイトの立ち上げでそこまでお金がかかっているのでしょうか?

これに関して、英語版サイトの機能拡充は内容はわからないですが、おそらく日本語サイトと同様のリニューアルでしょう。そして「中国語サイトの立ち上げ」は既存システムを利用してのシステム構築とありますので、これも翻訳して制作するので費用がかさみますが、多く見積っても500万もあれば作れるでしょう。

ページ数が多いだとか、首相官邸サイトだからしっかりつくらないといけないといった意見がありましたが、ページ数は通販サイトなどではもっと多くなることも多々ありますし、首相官邸サイトだからしっかり作らなければならないという意見は業界人として恥ずかしい意見(クライアントによって対応を変えるということ)です。

私はセキュリティ面での項目(サーバーの強化やシステムのセキュリティ強化の項目)や広告費等が入っていたりするなら1億円以上かかる場合はあるかと思いますが、やはり今回のこの料金は高すぎるというしか思えませんでした。
だいたい1500万~3000万円ぐらいが妥当ではないかと思います。

サイト内容も子供向けサイトでは、漢字にフリガナがなかったり、システム面で不備があったりとちょっと作りこみが足りないと思いました。

増税の話がされている前にこういった話が出てきましたが、増税する前にもっとやるべきことがあっただろう。。。と思わざるおえません。

みなさんはどう思われますでしょうか?

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